防災

江東区潮見のハザードマップの読み方:水害マップが3種類あることから始める

東京・江東区潮見で暮らすなら知っておきたい水害ハザードマップの話。江東区が公開する3種類のマップの違いと、江東5区の広域避難計画、自分の住所で確認する手順を整理しました。

潮見で防災の話を始めるときの出発点は、「江東区の水害ハザードマップは1枚ではなく3種類ある」と知ることだと思います。どれか1つを見て安心する、あるいは不安になるのではなく、3つが別々のことを想定していると分かると、備え方の解像度が上がります。

引っ越してきた日に全部読む必要はありません。ただ、自分の住所がどう書かれているかを一度だけ確認しておくと、あとがずっと楽になります。

3種類のマップは、想定している「水の出どころ」が違う

江東区の案内によると、区が公開している水害ハザードマップは次の3種類です。

マップの名称想定している災害
江東区洪水ハザードマップ洪水氾濫(河川があふれる)
江東区大雨浸水(内水)ハザードマップ内水氾濫(排水が追いつかない)
江東区高潮ハザードマップ高潮氾濫(台風などで海面が上がる)

区の説明では、これらのマップには浸水する深さや継続時間、避難地区、避難できる公共施設、避難に関する情報などが記載されているとされています。

3つに分かれている理由は、水の来かたがまったく違うからです。川があふれるのと、下水が飲みきれずに道路に水が出るのと、海側から水位が上がってくるのとでは、危ないタイミングも、取るべき行動も変わります。運河に囲まれた潮見のような場所では、特に高潮ハザードマップが自分ごとになりやすいはずです。なお高潮ハザードマップは令和2年3月作成、令和7年3月改定と案内されています。

潮見は「江東5区」の話の中にある

もうひとつ知っておきたいのが、江東区単体ではなく5区でまとめられた計画があることです。

江東区の案内によれば、墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区の5区は「江東5区」として、荒川と江戸川が氾濫するおそれがある場合の避難行動を対象にした「江東5区大規模水害ハザードマップ」と「江東5区大規模水害広域避難計画」をまとめています。東京東部低地帯に位置するこの5区には、大規模水害によって浸水する可能性がある区域に約250万人が居住しているとされ、計画は「大規模水害による犠牲者ゼロの実現」を目標に掲げています。

ポイントは、区の中で移動する避難だけでなく、区の外へ出る「広域避難」という考え方があるということです。これは近所の学校へ行く話とはスケールが違うので、当日はじめて知るのと、前もって言葉だけでも知っているのとでは、動きやすさがまったく変わります。

一度だけやっておきたい3つのこと

具体的にやることは、そんなに多くありません。

  • 江東区の公式サイトで、水害ハザードマップ3種類のうち自分に関係する範囲を開き、自宅の住所の色を見る
  • 「江東区防災ポータル」で、自宅から近い避難できる施設を確認しておく
  • 家族や同居人と、どのタイミングで動くかだけ先に決めておく(雨量ではなく「区から情報が出たら」で十分)

このうち一番効くのは3つ目だと思います。マップを完璧に覚える必要はなくて、「情報が出たら誰がどう連絡するか」が決まっていれば、当日の判断はかなり軽くなります。

運河に囲まれた街だからこそ、地形を先に知っておく

潮見は運河に囲まれた埋立地で、出入り口が橋に限られる地形をしています。この成り立ちについては江東区・潮見とはどんな街?や潮見の地名の由来と「蟻の町」の歴史で触れました。

こうした地形は、日常では「車が入ってこない静けさ」として効いています。同時に、いざというときは橋の位置が動きかたを決める、ということでもあります。だから、防災のためだけに構える必要はなくて、普段の散歩で橋の位置を体で覚えておくのが、そのまま備えになるという順番がいいと思います。潮見運動公園さんぽガイドで書いたように、公園から運河沿いに出るコースを一度歩いておくと、地図の見え方が変わるはずです。

不安を先に集めるより、地形を知って、マップを一度開いて、連絡の段取りを決めておく。潮見で暮らすうえでの防災は、それくらいの温度で十分だと思っています。

※ハザードマップの内容・改定状況は掲載時点の情報です。実際の確認と避難行動は、江東区および東京都の公式案内をご参照ください。